【米粉パンが美味しい町屋カフェ】 道の途中で
次男を連れての用事の途中、いつもは通過するばかりの町で足を止め、3人で散歩した。
もうすぐお昼。よい店がないかと探しながら。
歴史的建造物よりも食べ物屋さんに目が行ってしまう、少しばかり不純な散歩だ。
お腹がすいたし、暑い。それに次の予定(そもそもこっちが目的)の時間もある。
そろそろお店を決めたい…
そんな頃合いで、とあるお店のガラス戸越しに、おいしそうなパンが並んでいるのが見えた。
古い町屋を改装したと思われる店とパンのコントラストがいい。
パンと飲み物をセットにしたランチもあるようだ。
「パン旨そう。ここにする?」
「うん、ここにしよう」
オットの外食はお寿司(庶民の)か中華(庶民の)のほぼ2択だが、ここは最近のカフェ巡りの成果か。
うなずき合うワタシたちの横でブンブンと首を横に振る人物。
次男。
パンが苦手である。
給食のパンだって残す。
たぶん、口の中でモコモコするのが好きでないのだろう。
大好きな焼きそばを挟んだ「焼きそばパン」ならペロリと平らげるのだから、気持ちの問題も大きい。
「あ、かき氷もあるよ!デザート先に食べよう。後でうどん屋さんでも行こうよ」
子供相手に強引に交渉を成立させ、今日はメオトカフェならぬカゾクカフェ。番外編だ。
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「奥へどうぞ、ホントの外と、屋根ありのお席もあります」
と声をかけられ、奥へ。
いわゆるウナギの寝床というのか、間口に対して奥行きがかなりある。グングン進むと、「ホントの外」に出てしまった。キョトン…まるで茂みのトンネルを抜けたトトロのメイちゃんだ。
あの、右奥にチラリと見えるのがテーブル?
外すぎない…?(草で椅子が見えないような…)
ということで、手前の屋根あり(テラス?)の席にした。
うん、これくらいの外がいいかも、、、
次男はいちごのかき氷、ワタシたちはサンドイッチのセットとピザパンのセットを。
飲み物はオットがオーガニックコーヒー、ワタシはアイスカフェオレ。
おいしそう~!
オマケにかぼちゃのカステラつき。
サンドイッチとピザを交換してひとつずつ、いただいた。
サンドイッチもピザも、黒コショウが効いていて、とっても美味しい。
カステラは確かにかぼちゃの風味があり、甘さ控えめの優しいおやつという感じ。
コーヒーも、苦みが苦手なワタシ達に飲みやすい、「ちょうどいい」加減。
いや~最高だ。
半分外(テラス?)とおいしいパンとコーヒー、最高だ!
隣の席の紳士が「ここは元々、お米屋さんだったんですよ」と淑女に語りかけているのが聞こえた。
そうか、だから米粉のパンなのね。
古い町屋とパンもいいけど、米粉とパンもいいよね。
一昔前なら考えられなかった組み合わせかもしれない。
米粉のパンは小麦アレルギーの人が食べるものだと、なんとなく今まで思っていて、ちゃんと食べたことなかったけれど、とても美味しい。
ああ、次男にもこの美味しさがわかればいいのに。
アイス好きの彼はとりあえず、今、かき氷に夢中だ。
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大満足でカフェを出た後、約束どおり麵屋さんへ。
うどんを食べる次男を眺めているだけなのも…ということで中華そばをすするメオト。
あきらかに食べすぎだ…。
でも、こちらもとても美味しかった。
10年以上、通過し続けたこの町での寄り道は、何かを気づかせてくれたような気がする。
目的地が魅力的な場所じゃないとしても
通り慣れた道だとしても
自分の意志で行くのじゃないとしても…
積極的に道草を楽しむことを忘れないようにしよう。
さあ、いよいよ本来のルートに戻らねば。