【ガーデニング】 「ミヤコワスレ」はなぜ少しの物悲しさを感じさせるのか…?名前の由来
ほったらかしガーデンの「ミヤコワスレ」が咲いた。
害虫に侵されているシンボルツリー
の陰で、ひっそりと、まっ直ぐに、可憐な花を咲かせてくれている。
花が終わったら地上部を切って、あとは本当にほったらかしだけど、毎年ちゃんと茎が伸びてきて花が咲く。
多年草ってホントにすごい。(どういう仕組み??)
4月~6月が花の時期のようだが、我がガーデンでは5月半ば頃からの開花だ。
丈は20cmほど、低すぎず・高すぎずの丈感がちょうどいい。
日本が原産のこの花の、ひっそり感、素朴な可憐さ…心つかまれずにはいられないような風情がある。なぜだか郷愁を感じさせる、そんな花だ。
そういえば「ミヤコワスレ(都忘れ)」という名なのだ。なんだかすでに、昔々の、物悲しい匂いがするじゃないか。
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由来は鎌倉時代まで遡り…
順徳天皇は、鎌倉幕府打倒のため、父・後鳥羽上皇と共に承久の乱を発起したが、大敗し、北条氏により佐渡に流刑された。
菊の花は皇室のシンボルでもあり、後鳥羽上皇はとりわけ白菊を好んだ。順徳天皇も小さな菊を御所周辺に植え、愛でていた。
「ミヤコワスレ」という名は流刑後の順徳天皇が読んだ歌に因むと言われ、佐渡に咲く小さな菊に似た花を眺めて心慰め、都への思いを忘れようとしたという伝説からきているようだ。
「いかにして 契りおきけむ 白菊を 都忘れと 名づくるも 憂し」
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そんなミヤコワスレと、時を同じくして咲いた八重のオダマキに、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が頭をかすめる。
時代物が苦手でも見れてしまう不思議ドラマ。
同じ時代を生きるどの人にも、それぞれに物語があり、そして皆、多かれ少なかれ悲しみを抱えている。
そこに共感して、つい見入ってしまう。
様相の異なる2人(?)が、なんの因果か同じ時期に、このほったらかしガーデンで隣り合って咲いている。
どちらも可憐で美しい。