みなさん、おつかれ生です。
「日本のみなさん、おつかれ生です」
某ビールメーカーのCMに出演する俳優さんが代わった。
新垣結衣さんから松下洸平さん&芳根京子さんにバトンタッチされ、新CMが流れている。
芳根さんの方はまだお目にかかっていないのだけど、松下さんの方は一度だけ見た。
その一度の破壊力よ。
“ビューネ君“以来だ。
ビールのCMと言うと、「カンパーイ!!」とお仲間たちとの“飲み会”でハイテンション気味に飲むものとか、何やら美味しそうなおツマミとともに、喉を鳴らして飲み干すものなど「元気に、美味しそうに」飲むもの、または「味の違いがわかる」的な通っぽいものが多いようなイメージを、勝手に持っている。
基本、テンション低めでお酒の味もよくわからないワタシは、この時点でビールの世界から完全に置いていかれているように感じてしまう。
だが、この「おつかれ生です」シリーズは、どこか違うのだ。
コロナ禍もあっての設定なのか、主人公は基本“一人飲み”。
何かネガティブな感情や事情を抱えながらも、人の温もりを思い出し、ひとりビールを味わう時間を持つことで、少し元気が湧いてくる…そんなストーリーに見える。
感情のはけ口としてビールがあるのではなく、自分を癒し、元気を取り戻していく過程にビールがそっと“寄り添う”ような。
「おつかれ生です」と静かに言われると、なんだかじんわり温かくなる。
「おつかれ生です」のキャッチフレーズも、「え?ダジャレ?」と言われてしまいそうなところ、この方たちが言うと癒しの魔法の言葉になるから不思議だ。
ガッキーも可愛くて穏やかで癒されたけど、松下さんは抜き打ちで来ただけに、心の準備をしていなくて、やられた。
ガッキーからの松下さん。
やるな、○○ビールさん。(芳根さんバージョンもお目にかかるのが楽しみ)
ちなみに「おつかれ生です」ビールは、味のまろやかさも売りらしい。
ビールのキャッチフレーズによく使われてきた、「コク、キレ、爽快感」とは逆をいっている。
そこらへんも、ワタシの心をグッと掴んだ理由なのかもしれない。
「キレ」も「爽快感」も失い、年を重ねたわりには「コク」もないワタシ。
いったい今の自分になんの取り柄が?と思わない日はないこの頃だけど…
それでもいいよ、と言ってもらっているような。(勝手な拡大解釈…)
汗がキラキラ輝いてなくても
ワイワイガヤガヤに馴染めなくても
素適なおつまみ用意できなくても
テンション上げられなくても
ビールって飲んでいいんだな…
竹内まりやさんの「元気を出して」が流れると、つい動きを止めて見てしまう。
「おつかれ生」CMにくぎ付けだ。
ああせめて。
コク、キレ、爽快感を失っても…まろやかさと癒しの雰囲気は身につけたい。
みなさん、そしてワタシも!
いろいろあるけど、「おつかれ生です」。